お盆も明けたとはいえ、残暑厳しい折にご来店いただいたお客様。
秋のスーツとジャケットの生地をご提案するのだが、どれをお見せしても地味だとおっしゃる。
横でご覧いただいていた奥様がとてもナイスな一言。
「あなたの眼はまだ夏の眼なのよ。
冬の眼に切り換えないとせっかくの生地の
良さがわからないんじゃないの」
夏の強烈な日差しの下では、純白のシャツをはじめ、シンプルで直射日光と相性の
良いものの方が着映えする。さらに現代ファッション、とりわけ夏の潮流が、
スポーティヴルックだからであろうか、大胆な純色(原色)の配色が映える。
一昔前な低俗な色合わせの見本のように挙げられていて、TVのテストパターンみたいと
皮肉られたりしたものだ。
一方、ナチュラル系ファッションが好きな人なら、光りに晒された感のある風合いの
生成りなどを好む。とりわけレディースでは相変わらず伸びる・光る系の素材が多用
されているようであるが。
陽の光りから鋭さが消え、柔らかさを感じる頃、人の眼も冬の眼へと衣替えを始める。
色だけでなくサーフェスインタレスト、ウォームな素材感が恋しくなり、暑苦しくさえ感じていた
ダークな色が格好良く見えてくる。色合わせも、思いもよらなかった濃色同士のコーディネイトに
心惹かれる。夏にあれほど格好いいと思っていた自慢の一着が、秋風が吹き始める頃には
野暮に感じてくる。冬から春を迎えるときも同じで、高級素材のタッチすら重たく感じる。
しかし、そこには衣服を身にまとう楽しみがある。
色合わせや色彩の調和は、各誌でハウツーが繰り返される。
同じものを着るわけではないから、説明の手段にすぎない。
その生地や文章の中でのみ有効な記述概念である。自ら考え楽しみたい。
2016年6月22日水曜日
VOL・129 軽くなるコトバ 2011・9
「コラボレーション」
企業同士、雑誌とブランド、ショップの共同企画など色々な分野で利的協力をする場合、
コラボレーションという言葉を用いる。音楽の世界ではゲスト的な場合はフィーチャリングと
いうのが普通だが、それすらコラボと言ったりする。
様々な業界で二つ以上の人や団体が一緒になりさえすればコラボと称しているようだ。
別段新しくも無いことが新しいことのように聞こえてしまう。
服の世界では、これまで同様に工場に発注しているのに「ファクトリーとコラボして」など
というフレーズが出てくる。工場と物作りをするのは当然のことなのに。
「熟練の職人}
日本、いや世界には熟練の職人が大増殖しているらしい。
無論、本物の職人には大いに敬意を表する。
普通の仕事しかしていない制作者が職人扱いをされ、しまいには熟練という
おかんむりまでもつく始末。最近は数年で熟練の職人になれるようである。
工場に赴くと実のところは、パートアルバイトや季節労働の人たちだったりする。
本当にその人にしかできない技なのか、コストさえ許せば誰にでもできる単なる仕様なのか。
その辺の判断がビミョ-。
「秘伝の〇〇」
熟練と似ているが、飲食店などが用いることが多い。
秘密にして特別な人にのみ伝授された奥義のはずである。
食品のパッケージに「秘伝の〇〇」と書かれている。
いつ誰に伝授されたのか?
60年代のカルダンのスーツは今に通用しない。
既に完結していたスーツスタイルにその時代の華を添えただけ。
人生の持ち時間ではそれしかできない。メディアはヒットソングを探し続けるから
誇張した表現を好む。そして言葉の重みが消えて行く
企業同士、雑誌とブランド、ショップの共同企画など色々な分野で利的協力をする場合、
コラボレーションという言葉を用いる。音楽の世界ではゲスト的な場合はフィーチャリングと
いうのが普通だが、それすらコラボと言ったりする。
様々な業界で二つ以上の人や団体が一緒になりさえすればコラボと称しているようだ。
別段新しくも無いことが新しいことのように聞こえてしまう。
服の世界では、これまで同様に工場に発注しているのに「ファクトリーとコラボして」など
というフレーズが出てくる。工場と物作りをするのは当然のことなのに。
「熟練の職人}
日本、いや世界には熟練の職人が大増殖しているらしい。
無論、本物の職人には大いに敬意を表する。
普通の仕事しかしていない制作者が職人扱いをされ、しまいには熟練という
おかんむりまでもつく始末。最近は数年で熟練の職人になれるようである。
工場に赴くと実のところは、パートアルバイトや季節労働の人たちだったりする。
本当にその人にしかできない技なのか、コストさえ許せば誰にでもできる単なる仕様なのか。
その辺の判断がビミョ-。
「秘伝の〇〇」
熟練と似ているが、飲食店などが用いることが多い。
秘密にして特別な人にのみ伝授された奥義のはずである。
食品のパッケージに「秘伝の〇〇」と書かれている。
いつ誰に伝授されたのか?
60年代のカルダンのスーツは今に通用しない。
既に完結していたスーツスタイルにその時代の華を添えただけ。
人生の持ち時間ではそれしかできない。メディアはヒットソングを探し続けるから
誇張した表現を好む。そして言葉の重みが消えて行く
VOL・128 誰がために服を着る 2011・08
スーツとそのコーディネイトについて考えるとき、二つの面が考えられる。
ひとつは「社交性」 「社会性」など立場に応じて表現をする、
大切なプレゼンの資料と同じくらいのポジションにある。
もうひとつは個人としての楽しみ。自分の好きなものを好きなように着て
気持ち良ければそれでいいとする向き。
これには少し皮肉も込めたいところだが、「好み」と称して雑味のある服に
手を出したくなる人がいかに多いことか。
スーツの着こなしは長い歴史に培われた様式美である。
つまり、勝手な着こなしは本人の努力ほどには良い結果を生み出さないものだ。
普通の良い服を普通に着こなすことが出来ていないのに、うまく着くずすことはできない。
素材や構造や色使いの理解が浅いままくずしても、残念な結果しか待っていない。
しかし、ルール通りに着ることは簡単すぎて誰にでも出来るからと、
くずしやハズシに向きたい気持ちも分らないではない。
大切なことは様式美への造詣とハズシを同じ目線でバランスよく出来るかどうかだ。
そうして完成度が上がれば「個性」になる。
そうでなければ、ただの変わり者から脱し得ない。派
手なネクタイを褒められる?かも知れない。
目立てば人は何かを言いたくなる。それが形式的な褒め言葉になっただけだ。
身につけた服のバランスや色合わせが良ければ、単独のアイテムを褒めたり
言い及んだりすることは無い。ネクタイがお洒落と言われるより、○○氏は
お洒落と言われたいものだ。
着手としては、スーツの二面性、自分の為と、相手の為を考えれば、うまい着こなしを後押しする。
残念なのは、助言すべき売り手側にコンサルティング能力が欠如していることだ。
力不足のフィッティングやコーディネイトを客の「好み」に依るものだと責任転換するばかりである。
ひとつは「社交性」 「社会性」など立場に応じて表現をする、
大切なプレゼンの資料と同じくらいのポジションにある。
もうひとつは個人としての楽しみ。自分の好きなものを好きなように着て
気持ち良ければそれでいいとする向き。
これには少し皮肉も込めたいところだが、「好み」と称して雑味のある服に
手を出したくなる人がいかに多いことか。
スーツの着こなしは長い歴史に培われた様式美である。
つまり、勝手な着こなしは本人の努力ほどには良い結果を生み出さないものだ。
普通の良い服を普通に着こなすことが出来ていないのに、うまく着くずすことはできない。
素材や構造や色使いの理解が浅いままくずしても、残念な結果しか待っていない。
しかし、ルール通りに着ることは簡単すぎて誰にでも出来るからと、
くずしやハズシに向きたい気持ちも分らないではない。
大切なことは様式美への造詣とハズシを同じ目線でバランスよく出来るかどうかだ。
そうして完成度が上がれば「個性」になる。
そうでなければ、ただの変わり者から脱し得ない。派
手なネクタイを褒められる?かも知れない。
目立てば人は何かを言いたくなる。それが形式的な褒め言葉になっただけだ。
身につけた服のバランスや色合わせが良ければ、単独のアイテムを褒めたり
言い及んだりすることは無い。ネクタイがお洒落と言われるより、○○氏は
お洒落と言われたいものだ。
着手としては、スーツの二面性、自分の為と、相手の為を考えれば、うまい着こなしを後押しする。
残念なのは、助言すべき売り手側にコンサルティング能力が欠如していることだ。
力不足のフィッティングやコーディネイトを客の「好み」に依るものだと責任転換するばかりである。
VOL・127 ポケットチーフ 2011・07
上衣の胸ポケットに挿すアレのはなし。
ポケットチーフ、ポケットハンカチーフ、ポケットスクェア、ドレスハンカチーフ、ぽけち、
呼称は様々だが同じものだ。(以下チーフ)
しばしば、チーフはどのようにコーディネイトしたらいいかという質問をいただく。
いつもお答えするのは、ネクタイではなくシャツに合わせたほうが全体のルックスは
まとまりが良いということだ。
最も大事なのは、上衣、シャツ、ネクタイの調和である。
多くの人がシルク素材同士のネクタイに合わせようとしてしまうこと。
我々業界の人間やスタイリストや評論家を名乗る人たちでも、その様に考えている人が多い。
ネクタイと共地(同じ生地)でセットで売られている物はつまらないと
自ら言っているのにもかかわらず、である。
起源を語ることに意味があるとは思わないが、チーフと手を拭くハンカチは同じ物であって、
綿や麻で作られていた。 その後、薄手のシルクを用いた装飾用のドレスハンカチーフに
変わっていく。
チーフを合わせるのに大事なのは、調和であり、趣味の良さである。
ネクタイと同じか似寄りの色柄の物は合わせてます感が強すぎる。
中央のネクタイにポイントを置いているのに、同じインパクトが左胸(向かって右胸)に
繰り返すのは雑味が強くなり美しいとは思えない。合っていると頭で計算しているだけだと思う。
しかし例外もある。
ツイーディなジャケットやスーツを着る時、合わせたウールのネクタイにイメージを持っていった方
がしっくりくる。 大柄なペイズリーなどのプリントのチーフ、素材はシルクでもウールでも良く合うも
のである。
本人が気に入っていれば、何を着ても自由だが、趣味の良い調和を考えながら、
エレガントにチーフを使って欲しい。
ポケットチーフ、ポケットハンカチーフ、ポケットスクェア、ドレスハンカチーフ、ぽけち、
呼称は様々だが同じものだ。(以下チーフ)
しばしば、チーフはどのようにコーディネイトしたらいいかという質問をいただく。
いつもお答えするのは、ネクタイではなくシャツに合わせたほうが全体のルックスは
まとまりが良いということだ。
最も大事なのは、上衣、シャツ、ネクタイの調和である。
多くの人がシルク素材同士のネクタイに合わせようとしてしまうこと。
我々業界の人間やスタイリストや評論家を名乗る人たちでも、その様に考えている人が多い。
ネクタイと共地(同じ生地)でセットで売られている物はつまらないと
自ら言っているのにもかかわらず、である。
起源を語ることに意味があるとは思わないが、チーフと手を拭くハンカチは同じ物であって、
綿や麻で作られていた。 その後、薄手のシルクを用いた装飾用のドレスハンカチーフに
変わっていく。
チーフを合わせるのに大事なのは、調和であり、趣味の良さである。
ネクタイと同じか似寄りの色柄の物は合わせてます感が強すぎる。
中央のネクタイにポイントを置いているのに、同じインパクトが左胸(向かって右胸)に
繰り返すのは雑味が強くなり美しいとは思えない。合っていると頭で計算しているだけだと思う。
しかし例外もある。
ツイーディなジャケットやスーツを着る時、合わせたウールのネクタイにイメージを持っていった方
がしっくりくる。 大柄なペイズリーなどのプリントのチーフ、素材はシルクでもウールでも良く合うも
のである。
本人が気に入っていれば、何を着ても自由だが、趣味の良い調和を考えながら、
エレガントにチーフを使って欲しい。
VOL・126 スーツのプライオリティ 2011・06
過号でスーツの要素(条件)について述べたところ、もう少し詳しくとのご意見をいただいた。
服を買う時にも役立ちそうなのでもう一度。
服を構成する三つの要素は形、色柄、素材である。
そして表記の順番に自分の好みに照らし合わせるのが望ましい。すべてが良ければ
申し分ないが、既製服の場合どこかで妥協を強いられる。
一番目の形。デザインとかカッティングとかフォルムと表現される。
スーツを買うときの最も大事なポイントである。ショーウインドウのディスプレイでは格好良く
思えても試着してみると大した事なかったなんてことは良くある。
イメージどおりの形であれば言うことない。サイズも形のうちである。
概して、年配層はサイズの合っていないユルいスーツを着ていることが多い。
合っているのは組下のウエストサイズくらいで、上衣は肩幅や袖丈などまるで合っていない。
上衣が形になっていないのである。ダキ(脇の下)落ちして、後姿はお世辞にも美しいとは
いえないし、シェイプポイントも下がり過ぎている。人体で最も細い肋骨下に意識がない。
ここを合わせるだけで若々しく見える。
売る側にも買う側にも問題があるが、既製スーツの場合、効率重視で、販売確率の低いサイズは
生産しないのが普通であるから仕方ない。じゃあ、どうすりゃいいのよ。
信頼できる店でオーダーするしかない。
二番目の色柄。
スーツの大事な要素であるが、生地を着る訳ではないから、形が合わないのに妥協しては後悔を
まねく。
三番目の素材。
色柄と同じく、高級素材であったり、気に入ったタッチであっても形や色柄がダメなら購入する意味
はない。
洪水のような数のスーツが売られていても既製服で三拍子揃うものを見つけるのは難しい。
どこかで諦めも必要だ。
服を買う時にも役立ちそうなのでもう一度。
服を構成する三つの要素は形、色柄、素材である。
そして表記の順番に自分の好みに照らし合わせるのが望ましい。すべてが良ければ
申し分ないが、既製服の場合どこかで妥協を強いられる。
一番目の形。デザインとかカッティングとかフォルムと表現される。
スーツを買うときの最も大事なポイントである。ショーウインドウのディスプレイでは格好良く
思えても試着してみると大した事なかったなんてことは良くある。
イメージどおりの形であれば言うことない。サイズも形のうちである。
概して、年配層はサイズの合っていないユルいスーツを着ていることが多い。
合っているのは組下のウエストサイズくらいで、上衣は肩幅や袖丈などまるで合っていない。
上衣が形になっていないのである。ダキ(脇の下)落ちして、後姿はお世辞にも美しいとは
いえないし、シェイプポイントも下がり過ぎている。人体で最も細い肋骨下に意識がない。
ここを合わせるだけで若々しく見える。
売る側にも買う側にも問題があるが、既製スーツの場合、効率重視で、販売確率の低いサイズは
生産しないのが普通であるから仕方ない。じゃあ、どうすりゃいいのよ。
信頼できる店でオーダーするしかない。
二番目の色柄。
スーツの大事な要素であるが、生地を着る訳ではないから、形が合わないのに妥協しては後悔を
まねく。
三番目の素材。
色柄と同じく、高級素材であったり、気に入ったタッチであっても形や色柄がダメなら購入する意味
はない。
洪水のような数のスーツが売られていても既製服で三拍子揃うものを見つけるのは難しい。
どこかで諦めも必要だ。
VOL・125 残ね~ん 2011・05
「勝負スーツ着てきました」
今日頑張ったら、明日は手が抜けるのですか。
「同じスーツ持ってます」
えっ、当店では初めて作ったモノです。色柄がお持ちのスーツと
似てるだけで、生地も形も縫製も違ってます。
買物の際、違いが分からなければ安い方をお求めになった方が
シアワセかと存じますが。
違いが分かる男になりたいものです。
「イタリアのおやじのスーツ姿って格好いいよね」
ならば良~く見て分析して真似してください。
合わせるシャツは白かブルーの無地か穏やかな柄物しか着てません。
普通のモノを普通に着ることができれば、誰でも格好よくなれます。
「足が短いから、パンツの股下長めにしといて」
長くてダブついていると、余計に短く見えますよ。
「きょうは、ソックスがポイント」
スーツになぜ白色のスポーツソックス。
マイケルジャクソンは特別です。
ハズシとハズレは紙一重です。
「おたくのスーツ、着やすくて細く見えるから、安心して太ってしまった」
私共の所為ですか。大変ご迷惑をお掛けしました。
「若い頃はウエスト73cmやった」
そうですか。今は85cm。では73cmのパンツはいてみますか?。
「できあがったら、裾に折り返しがありますが、このままはいていいですか?」
ダブルの裾上げ、初めてご覧になるのですか。
「今度のスーツ、釦はカドにしてください」
はいっ?! 水牛のツノ(角)、ホーンボタンですね。
今日頑張ったら、明日は手が抜けるのですか。
「同じスーツ持ってます」
えっ、当店では初めて作ったモノです。色柄がお持ちのスーツと
似てるだけで、生地も形も縫製も違ってます。
買物の際、違いが分からなければ安い方をお求めになった方が
シアワセかと存じますが。
違いが分かる男になりたいものです。
「イタリアのおやじのスーツ姿って格好いいよね」
ならば良~く見て分析して真似してください。
合わせるシャツは白かブルーの無地か穏やかな柄物しか着てません。
普通のモノを普通に着ることができれば、誰でも格好よくなれます。
「足が短いから、パンツの股下長めにしといて」
長くてダブついていると、余計に短く見えますよ。
「きょうは、ソックスがポイント」
スーツになぜ白色のスポーツソックス。
マイケルジャクソンは特別です。
ハズシとハズレは紙一重です。
「おたくのスーツ、着やすくて細く見えるから、安心して太ってしまった」
私共の所為ですか。大変ご迷惑をお掛けしました。
「若い頃はウエスト73cmやった」
そうですか。今は85cm。では73cmのパンツはいてみますか?。
「できあがったら、裾に折り返しがありますが、このままはいていいですか?」
ダブルの裾上げ、初めてご覧になるのですか。
「今度のスーツ、釦はカドにしてください」
はいっ?! 水牛のツノ(角)、ホーンボタンですね。
VOL・124 お国柄 2011・04
今や、英国・イタリアのスーツは世界各国で販売されている。
そして、世界の風を浴びて各国のスーツの特徴が同化しつつある。
仕立ての考え方やフォルムの設計などかなりミックスブラッド化していると言っていい。
スーツに対する考え方を敢えて各国の最大公約数でくくってみる。
各論での例外は承知の上である。
スーツの日本への導入、あるいは影響の時系列は、アメリカ、英国、イタリアの順だろうか。
まずアメリカのスーツ。
サクセススーツの名の通り成功者の着こなす物である。成功とは職業上の成功である。
成功していなくても成功者の着こなしをする。だからアメリカのスーツブランドは平準化した
フォルムが多く、合理化された大量生産に向いている。ヒップの大きさからか、あまり細身には
作らない。合わせるシャツもゆるめが多い。
次に英国のスーツ。
世界のスーツのオリジンではあるが、最大の関心事は正しく着こなしているかどうかということで
ある。クラシックな服であれば、サイズや格好いいかどうかは二の次である。人前で上衣を脱がな
いので、シャツのフォルムも気にしない。見えている襟とカフスがちゃんとしていればいい。
さて、イタリア。
セクシーで格好良く決めることに命を懸ける。柔い流れ落ちる素材を好む。
が、固く重い生地が逆張りで格好いいとなれば喜んで用いる。上衣を脱いでも指を襟に掛けて
肩に背負う。その時の格好良さも忘れていないから、シャツのフォルムにも気を遣う。
ネクタイを取れば、厚い胸板をさらけ出す。
おまけにニッポン。
軸になるものは何も確立されていない。○○風とかのイメージで着るコスプレ大国である。
イメージは気こなしの源泉だから大いに結構。イメージすらない大人が多すぎる。
そして、世界の風を浴びて各国のスーツの特徴が同化しつつある。
仕立ての考え方やフォルムの設計などかなりミックスブラッド化していると言っていい。
スーツに対する考え方を敢えて各国の最大公約数でくくってみる。
各論での例外は承知の上である。
スーツの日本への導入、あるいは影響の時系列は、アメリカ、英国、イタリアの順だろうか。
まずアメリカのスーツ。
サクセススーツの名の通り成功者の着こなす物である。成功とは職業上の成功である。
成功していなくても成功者の着こなしをする。だからアメリカのスーツブランドは平準化した
フォルムが多く、合理化された大量生産に向いている。ヒップの大きさからか、あまり細身には
作らない。合わせるシャツもゆるめが多い。
次に英国のスーツ。
世界のスーツのオリジンではあるが、最大の関心事は正しく着こなしているかどうかということで
ある。クラシックな服であれば、サイズや格好いいかどうかは二の次である。人前で上衣を脱がな
いので、シャツのフォルムも気にしない。見えている襟とカフスがちゃんとしていればいい。
さて、イタリア。
セクシーで格好良く決めることに命を懸ける。柔い流れ落ちる素材を好む。
が、固く重い生地が逆張りで格好いいとなれば喜んで用いる。上衣を脱いでも指を襟に掛けて
肩に背負う。その時の格好良さも忘れていないから、シャツのフォルムにも気を遣う。
ネクタイを取れば、厚い胸板をさらけ出す。
おまけにニッポン。
軸になるものは何も確立されていない。○○風とかのイメージで着るコスプレ大国である。
イメージは気こなしの源泉だから大いに結構。イメージすらない大人が多すぎる。
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